そうだ! こんなときこそ名探偵 真莉亜の出番ですわ!
二人には妙な噂があるし、実は私もその真相が気になるしこの際探ってみよう。瞳様はみんなに教室へ向かうように促していたけれど、まだ授業が始まるまで時間はある。
こっそりと後をついていくと、人気のない柱の陰で瞳様とスミレ様が向かい合っているのを見つけた。
「スミレ」
「……はい」
「これは何」
「ええっと、お菓子のようですわ」
なにやら瞳様が怒っているようだった。
歯ぎれ悪く返しているスミレ様はやはり具合でも悪いのだろうか。あれ? でも、瞳様が持っているのは先ほどの駄菓子だ。どうしてスミレ様に問い詰めるように聞いているんだろう。
「もう一度聞くよ。これは、何?」
「『忍法☆すっぱいでござる』です」
「スミレ」
「スミレの『忍法☆すっぱいでござる』です!! はい、すみません!」
え……う、嘘! 嘘だよね!? あの駄菓子ってスミレ様のだったの!?
「私、お菓子はサントノーレが好きですの〜」って前に言っていた気がするけど。駄菓子に興味あるお嬢様なんているの?



