そして、トレーニングルームに連れて行かれて私が購入したダンベルが一つずつ並べられ、「これは誰のかしら」と問い詰められた。

お父様もお母様も蒼が鍛えていると思っていたようだったけれど、残念ながら私でした。てへっ!では済まされることなく、正座をさせられている。


「貴方にダンベルが必要なの?」

必要です。だってもしものときの為に力はつけておきたいし、ひ弱なお嬢様じゃダメなんだ。

私は隠れマッチョなお嬢様になりたいんだ!……なんてことは言えず、黙り込む。


「それに真莉亜さん、成績があまりよろしくなかったようね。補習があるのだとか」

「ひっ」

誰だ言ったのは! 蒼か、蒼しかいないよね!?

少し離れた場所で正座をさせられている私と、見下ろしながら笑顔で怒っているお母様を眺めている蒼を見やると気まずそうに視線がそらされた。

犯人はあいつだ!


くそう、蒼め。私の味方だと思っていたのに。あとで髪の毛わしゃわしゃしてやる。あれやると物凄く嫌そうにするんだよね。


「残念だわ。今年の旅行は真莉亜さんはお留守番ね」

「え!」