「そういえば、真莉亜様は浅海先輩とは仲がよろしいのですか」

「同じクラスで時々お話をするわ」

友達と言っていいものなのか少し悩む。

私は彼女の秘密を知っているし、時折スミレたちと一緒に放課後を過ごすことはあるけれど、一対一で話すことはあまりないのだ。

それに私としては友達の一人と答えたいけれど、浅海さんが私のことをどう思ってくれているのかがわからないしなぁ。


「その、浅海先輩は特待生なんですよね」

「ええ」

おそらく希乃愛からしてみたら庶民である浅海さんを前までの真莉亜なら蔑んでいそうなので、噂がデマで嫌っていないことが意外なのだろう。

それもそれで酷いとは思うけれど、以前の真莉亜なら確実にそうだろうからなんとも言えない。


「彼は優しい方よ」