とりあえず「ありがとうございます」と笑顔で返しておいた。天花寺は良い人なんだと思う。

それに力もあるし、困ったことがあれば本当に協力してくれるのだろう。


だけど、私の話をすんなりと信じてはくれないと思う。

私が逆の立場だったら、この人夢と現実がごちゃごちゃになっているのかなって心配になる。


「先生には俺から言っておくから、ゆっくり休んで?」

医務室の前まで着くと、天花寺は私の体調を気遣うようにそっと顔を覗き込んで優しい言葉をかけてくれた。


「お大事にね」

「あの……ありがとうございます」

言えるわけがない。

なにかあったら言っていいと、協力してくれると言ってもらえたことは嬉しかった。

でも、私の悩みごとは打ち明けられるような内容じゃない。この先自分が死んでしまう未来を変えていかなくちゃいけないんだ。