面と向かって身内を褒められると嬉しいけれど、くすぐったい。

こういうときって何て答えるのが正解なんだろう。

ただ曖昧に微笑むことしかできなくて、肯定することも否定することも捉え方によっては嫌な感じになってしまうのではないかと思ってしまう。


それにしても、似てるかぁ。

私としては嬉しいし、血は繋がっているんだから似ていてもおかしくはないと思うけれど、蒼は似てると言われると複雑そうな顔をする。

何年経っても、どこか家族の中で一線をひいていて自分は本当の家族じゃないと遠慮をしているような節がある。


学校の人達は私と蒼が本当の姉弟ではないことを知らない。

もちろん雲類鷲家が蒼を引き取ったことを知る大人もいるだろうけれど、わざわざ子どもに話している人はいないのだろう。

入学してから一度も聞かれたことがないし、みんな本当の姉弟だと信じている。


「お二人はお美しくて本当に目の保養ですわ」