「……それで、私に何か話したいことがあるのでしょう?」
雨宮の最初の発言からして、明らかに誰かを探しにここまで来たような口ぶりだった。
彼らとスミレや瞳は接点ないはずだし、ここ最近関わったのはおそらく私だけだろう。
とすると、彼らが探していたのは私で何か用事があるはずだ。
「さっき教室に行ったら明石さんがいて、浅海さんに謝罪してくれたよ」
「そうですか。それはよかったわ」
謝罪をちゃんとしたのであれば、浅海さんと明石さんの問題はこれにて一件落着だ。
大事にならなくてよかった。
「それでどうしてもお礼を言いたいと話したら、彼が雲類鷲さんはここにいるんじゃないかって教えてくれたんです」
浅海さんはちらりと雨宮を見ると、雨宮は普段通りの甘ったるい笑みを返した。
この笑みに女子は弱いみたいだけど、私は甘すぎて胸焼けしそうだ。
「私がここにいることを雨宮様はご存知でしたの?」
ここで集まっていることは私達は誰にも話していないはずだ。
それなのに何故雨宮が?怪しすぎる。



