どうみても女子が放課後にケーキを食べてるようにしか見えないこの光景を部活というには無理がありすぎる。

カシフレを本当に部活だと思っているのはこの中ではスミレしかいない事実に早く気づいてくれ。


「とにかくっ、……ふんぬがぁあぁ!?」

スミレの間抜けな声と、ベシャっと何かが潰れたような音がして振り向くとスミレの顔がケーキにダイブしていた。


ス、スミレぇええ! あんたは本当何をやっているんだ。これはもう誤魔化しきかないレベルでやっちまってるけど!


どうやら立ち上がろうとして、体制を崩して顔をケーキに突っ込んでしまったらしいスミレはあまりにショックなのかケーキに顔面を押し付けたまま微動だにしない。

その光景に全員の視線が集まっている。


「あ、あの、大丈夫ですか!?」

我に返った様子で慌てて上履きを脱いで畳に上がってきた浅海さんがスミレの元まで歩み寄り、心配そうに声をかける。

まるでホラー映画が何かのようにのそりと顔を上げたスミレは目が据わっていた。