第二茶道室へ着くと、甘い香りが鼻腔をくすぐった。

「……なにこれ」

目の前に広がる光景に顔が引きつってしまう。

和室がケーキ屋さんのようになっていて、一口サイズの色とりどりのケーキが猫足のケーキスタンドトレイの上にぎっしりと並べられている。しかも、トレイは五つもある。


「真莉亜! 今日はプチケーキパーティーよ!」

「これ……どうしたの?」

「さっき家の者に持ってきてもらったの! 和室にケーキってちょっとおかしいわね! うふふ。和と洋が織りなす絶妙な空間での女子会っていうのも楽しくていいとスミレは思うのそれでね、スミレ的には今日は」

「上履き脱いでいいかしら」

まさかスミレはこの量を三人で食べようとしているわけじゃないよね? さすがに三人でこのケーキの量を食べるのは無理があると思うんだけど。


「そうそう、この中にワサビクリームが入っているのが何個かあるわ!」

「はい?」

「うわははは! ワサビクリームに当たっても全て完食しないといけないわよ! さぁて、ワサビガールは誰かしら〜!」