それでも先ほどよりは慌てなかった。よくよく見れば、その白衣はよくマッサージ師やエステティシャンが着ていそうな制服だったからだ。
彼女らが案内した先には、これまたガラス張りのマッサージルームが。
これはさすがに落ち着かないでしょ。と小馬鹿にしながら施術台に乗ってみた。
すると今まで嗅いだこともないいい香りのオイルでマッサージをされ、気分はたちまちエジプトの女王様に。
そして、現在に至る。
本当に天国を見せられてしまった。ブグローが描いた子供の天使が目の前で微笑んでいたような気がする。
すっかり肉体の疲れを癒された私に与えられたのは、真新しいブルーのワンピースだった。
結婚式に着ていくような光沢のある生地。もともと着ていた服は出してもらえなかったので、仕方なくそれを着る。サイズはぴったりだった。
ぼんやり椅子に座っていると、乱れていた髪をまとめられ、薄く化粧をされた。さすがにそれは拒否しようとしたけど、後ろから頭を固定され、抵抗できなかった。
「私の服は? これからどうするつもりですか?」
エステティシャンだか美容師だか、周りのお姉さんたちに話しかけても、彼女たちは優雅に微笑むだけで、何も語ろうとしない。
もちろんバッグも携帯も取り上げられており、逃走を謀ろうにもどうしようもない。



