「おはようございます。今日もよろしくお願いします」
きりっと爽やかに挨拶をすると、松倉先輩は呆れたような顔でこちらを見返した。
「じゃあ、朝礼終わったらあっちで打ち合わせな。今日は寝ないでね」
「はい!」
私はもう昨日までの私じゃないの。生まれ変わったのよ。
誰かが自分の存在を認めてくれているというだけで、勇気が湧く。自信が持てる。
星の数ほどいる女性の中から、昴さんが私を選んでくれたんだもの。
やる気満々の私を気味悪そうに見て、先輩はデスクにバッグを置きに行った。
午前中はクラシカルホテルの内装について、どこから始めるか、どこの業者に依頼するか、など話し合っていたらあっという間に時間が過ぎてしまった。
十二時になると、松倉先輩の方から昼休憩を取ろうと言われたので、従うことに。もちろん、一緒に休憩を取ろうとは思わない。
「横川さんいいですよね……松倉さんとずっとペアで……」
会議室を出た途端、近くを通りかかった契約社員の女の子が恨めし気な目で睨んでくる。この子、松倉先輩を好いているのかな?



