そう、彼とベッドに入ったのはまだ昼すぎだった。それから……ええと、そういうことになってしまい、気づいたら朝。最初なのに何度も求めてきた社長にもびっくりだけど、それに抵抗もしなかった自分にはもっとびっくりだ。

「あ、あのう、一応弁解してもいいですか」

「ん?」

 背中を向けたまま発言すると、彼は私の首に顔を寄せる。髪にくすぐられ、余計に恥ずかしくなる。

「私、いつもこういうことしているわけじゃないんです」

「こういうことって?」

「だからええと……付き合ってもいない人とこういうことをしたのは、初めてなんです」

 間違っても、誰とでも寝てしまう女だとは思われたくない。了承してしまったのは、相手があなただから。

 社長がくすりと笑う息の音が聞こえた。

「言われなくてもわかる。だいぶ不慣れな体だったから」

「なっ」

 そう言われれば、最初はガチガチに緊張していたっけ。

「すみません……」

 もしかしたら、社長は面倒臭いだけで気持ちよくなかったのかも。掠れた声で謝ると、社長はぐいっと腕に力を入れ、私を無理やり反転させた。

「謝るな。他の男の影響を受けていないことはむしろ喜ばしいことだ。開発していく楽しみがある」