いえ、あなたです。



なんて、言えるか。



「ええ、まあ」


「一緒に探しますか?」



なんと。



クールで無愛想な人だと思っていたから、そんなことを言われるとは。



これは惚れるね。



だけど、そう提案されても、本なんて探してないから、断るしかない。



せっかく彼が提案してくれたのに。



どうしてつまらない嘘をついたかな、私。



「あの?」



私があまりに答えないから、彼が改めて聞いてきた。



「いえ、大丈夫です」



こんなふうに答えたら、嫌われてるって彼が思わないかな。



「そうですか。余計なこと、言いましたね」



ほらもう!



「そ、そうじゃないんです。私がただ……」