先に歩き出したくせに、私が余裕で追いつけるスピードで歩いているところが千尋らしい。
隣に並んで、アイスを頬張る千尋を見上げると、千尋はちらと私を一度見て、すぐに視線を前に戻した。
「……美味しいね、千尋」
「うん」
千尋のアイスを食べるペースは速くて、もうコーンまで到達しそうだ。
私も溶け出す前に食べてしまおうと思って、長方形のアイスの先を囓る。
舌先に伝わった冷たさと、じわりと広がる爽やかな甘さに、自然と頬がゆるんだ。
シャリ、と氷の食感のあとに、喉を通る冷えたソーダの味が好きだ。
「千尋、」
「うん?」
「ソーダアイス、ありがと」
そうやって素直にお礼を言ったら、口の端にアイスをつけた千尋がやっと笑った。
私がソーダアイスが好きなこと。
千尋は知っているから、喧嘩したり、落ち込んでいたりすると、きまって私にくれること、思い出すのはいつももらった後だ。



