「あ、」 だけど、低い声に捕まって、身体を動かすことができなかった。 目が合う。 それからその顔が柔らかくくずれて屈託なく笑う。 ひらひらと手を振って、口元が、虹、と動く。 王子様、じゃない。 千尋。 その隣のお姫様は、きっと。 「ごめん、結構待った?」 「ううん」 「あ、この子が百瀬だよ」 やっぱり。 そうだ。 お姫様の正体は、“百瀬”さん。