コンビニにつくと、同じ高校の制服を着た男の子たちが入り口のところでたむろっていて、その中の一人が千尋に手を挙げた。
コーラのペットボトルを右手に持って、千尋と私の方へ近づいてくる。
「朝比奈何してんのー?」
「アイス買いにきた」
コーラを持った彼が、ふうん、と相槌を打ったかと思ったら、千尋にむいた視線が横にずれて、ぴたりと目が合う。
なんとなくお辞儀をしておいたら、彼は、誰?みたいな顔をして首をかしげた。
「朝比奈の彼女ー?」
「あっ、違うよ」
ふるふると首を横にふって笑う。
こういうとき何でもないように否定するのが一番疑われないですむって、今までの経験から得たスキル。
千尋も私と同じように、ないない、なんて顔の前でひらひら手をふって、笑う。
「俺らは家近いから一緒に帰ってるだけ」
「そーなんだ。この前朝比奈、好きなやつも彼女もいねーって言ってたから、どういうことかと思った」
「あー、うん」
恋の話をしているくらいの仲ならけっこう、千尋と親しいのかもしれない。
ゆるい表情で、顔から何考えているのか分からないところが少し千尋と似ている。
第一印象で失礼かもしれないけれど。
「じゃー、もうそろそろいくわ」
「おー」
結局、私の隣で一言二言千尋と話して、ゆるい挨拶とともに、男の子たちがだらだらと帰って行った。
適当な感じが男の子っぽくて、別れの挨拶なんかもオーバーな女の子たちとは違うなあ、とおもいながら、千尋の真似をして彼らに手を振った。



