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それから屋敷の中で憑霊の右腕を探した。


中は歴史の教科書で見たような和装で驚くほど広い。いくつもの部屋があり、廊下がずっと遠くまで続いている。


「どこかにあるのかな…? 憑霊の右腕…」


追ってくる憑霊に細心の注意を払いながら、あたしはいくつかの部屋を調べた。……けれど憑霊の右腕は見当たらない。


それでも一つ一つ、部屋を調べていく。屋敷はまだずっと奥まで続いていた。


「……なんかここ、気味悪いな」


今のところ屋敷に人はいない。不気味なほど静かだ。……それなのに、なぜか誰かに見られているような視線を常に感じてしまう。


……そんなとき。


「ん? あの部屋。明かりがついてる…」


ある部屋の障子から赤い光が漏れていた。誰かが中で明かりをつけているようだ。