☆☆☆

「憑霊ゲーム。ハージメヨ……」


気がつくと、目の前には首と手足のない憑霊の姿があった。


「うわぁぁ!!」


あたしは思わず悲鳴を上げ後退りした。


服装はまた制服に変わっている。


どうやら眠らないように我慢しても、夜中になると憑霊ゲームは強制的に始まってしまうらしい。


「あれ? 学校……じゃない?」


見るとそこは森の中だった。


目の前には背丈よりもずっと高い真っ赤な鳥居が見えなくなるまで遠くに並んでいる。


どうやらあたしは、どこかの山にある神社の入り口にいるみたいだ。


てっきり憑霊ゲームの舞台は四日間ずっと同じ学校だと思っていた。


「ハージメヨ、ハージメヨ。悪夢ノ中ノ鬼ごっこ。今夜ハアナタノ夢ノ中……」


昨日と同じように……憑霊は歌うように言う。


「私ガ鬼デ、アナタガ子。10ヲ数エテ捕マル前二……」


そう言って、憑霊はあたしになくなった右腕の断面をむけ指差した。ツーンと鼻に血の臭いがする。


「今夜ハ私ノ、“右腕”が欲シイ……」