「いや、冗談とかじゃなくてマジなんだって!」


そんな風にあたしが必死になればなるほど二人の笑いは増していく。


でも正直、二人が信じないのも無理はない。


逆の立場なら多分あたしだって信じようとしないし。


「きっとストレスで悪い夢を見たのよ。七海このところずっと疲れてたでしょ?」


そう言い、由梨はポンッとあたしの頭に手をのせる。


「そうっすよ。オレも由梨さんに同意っす」


英美も由梨に続いて言った。


「でも、昨日は本当に寝ている間に行ったことがない公衆トイレに行ったんだよ? 普通あり得ないでしょそんなこと」


「考えすぎっすよ。たぶん夢遊病とかじゃないっすか?」


それからどう説明しても二人は本気で聞こうとしなかった。


せいぜいストレスで怖い夢を見た程度にしか思っていない様子だ。


だけどあたしが必死なのは伝わったみたいで、由梨は手を叩きある提案をした。