そんなとき、ふと時計を見ると時刻は7時半をまわっていた。


いつもなら家を出る時間だ。だけど昨日のこともあって学校に行く気にはなれない。


今日くらいサボろうかな。


そう思ったけれど、このまま家にひとりでいるのも辛かった。


「しょうがない……行くか」


あたしは制服に着替え身支度を整えた。長くてブロンドのように明るい色の髪をいつものようにスタイリングする。


家を出ると、外はよく晴れていて雲ひとつなかった。


横断歩道を歩く小学生の列。犬の散歩をするお年寄り。スーツを着たサラリーマン。


一見すれば、なんの変化もない、いつも通りの通学路。いつも通りの日常がそこにあった。


……だけど、もうここはあたしの知っている日常とは違う。


「恭也……」


目が覚めた今でも、あたしはまだ、悪夢の世界をさ迷っている気分だった。