その音は心臓の鼓動のようだった。


もしかして、近くに憑霊の心臓が…!?


あたしは耳をすませ音の出所を探り辺りを見渡す。


すると10mくらい先に学校の備品や粗大ゴミが山積みに捨てられたゴミ捨て場があった。


よく見るとゴミ捨て場の中に理科室にはなかったあの人体模型が捨ててあった。


人体模型の体にはプラスチック性の臓器が人間の体を再現し組まれている。


その作り物の肺と肺の間に、ひとつだけ生きているかのようにドクドクッと動く臓器があった。


……見つけた!! 憑霊の心臓!!


体の痛みをこらえ、折れた左足を引きずりながら人体模型の方へ向かう。


あの心臓を手に取って勝ちを宣言すれば一日目の憑霊ゲームはあたしの勝ちだ。


そう思い、少しだけ笑みをこぼした。


その背後に、


ガァンンンン!!!!!!


火薬が爆発したようなものすごい音が聞こえてきた。