「言ったよね? 全て奪うまで、ゲームは終わらない。……でもそれはもともと、全部私のモノだったんだよ。これでやっと、ゲームも終わり…」


そう言い捨て、立ち去ろうとする憑霊。あたしは最後の力を振り絞り「待ってよ。あんたは恭也を……どうしたの?」と声をかける。


憑霊は黙ったまま、不快そうに振り返る。


「恭也は生きてるの!? あたしはどうなっても、恭也だけは…!!」


そう言いかけると、憑霊は口角を上げ、首をかしげた。


すると後ろから「七海…」と恭也の声が聞こえた。


振り返ると、暗闇の中に、ぼんやりとした表情の恭也が佇んでいた。


「恭也っ!!」