すぐにピンときた。それは、あたしが生まれた生年月日だったのだ。


「つまりここは、あたしが生まれた日の病院だってこと…?」


それに気がつき、あたしは息を飲んだ。今あたしは夢の中でタイムスリップして、過去の世界で憑霊ゲームをしているのだろう。たしかに静華との因縁に決着をつけるなら、ふさわしい舞台かもしれない。同時に、あたしの中でもうひとつの考えが過った。


……そっか。この日は、静華が産まれてくるはずだった日でもあるんだ。


胸がしめつけられる思いがした。静華はこの日、この病院で、お母さんの子として、あたしの双子として産まれくるはずだった。


それが叶わなかった静華は、どれほど辛かっただろう? 悔しかっただろう? その痛みは、あたしには計り知れない。ここにきて、静華への思いが一番強くあたしの胸にあふれてきた。


「……もし、あたしが静華なら」


思わずそんなことを呟く。するとあたしの頭に“ある考え”が過った。


それは理屈というより、感情的な直感だったのかもしれない。静華の“頭”の隠し場所に、病院のある場所が浮かんだのだ。