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病院の中は真っ暗だった。何とも言えない静けさをまとった不気味な雰囲気は一日目の学校と似ていたけれど、広さはだいたい二倍はあるように思えた。


静華に警戒しながら、手当たり次第、病室を探していく。開始から20分は過ぎたれど、それらしいものは見当たらなかった。そうしているうちに、あたしは病院の二階に来ていた。


「そういえば、静華ってどんな顔なんだろう?」


ふと疑問に思った。静華は生まれてこれなかった子供ではあるけれど、夢の中のあいつの体は、あたしと同じ高校生くらいに成長しているように見えた。


双子なんだから、きっとあたしと似た顔をしているはずだ。髪はあたしと同じブロンドのような茶髪で、目は切れ長な感じで……


そんなことを考えていると、どこからか「探し物があるのだろ? こっちへおいで」という男の声が聞こえてきた。


「だ、誰!?」


すぐに呼びかけたが返事はない。声は近くにある階段から聞こえた気がした。


不気味に思いながらも、確認したい気持ちが勝り、三階へ続く階段を上った。


階段から真っ暗な三階の廊下を覗きこむ。するとズズズッ…!! と何かを引きずる音が聞こえてきた。


音がした廊下の奥の方に視線を映す。


「うぁあっ!!」