どうやら憑霊ゲームには、さっきの黒い目の生徒のように憑霊以外にも幽霊みたいなのが現れることがあるみたいだ。


それにあの黒い目の生徒は憑霊に命令されてあたしに襲いかかってきた。


だから憑霊は声さえ届けば夢の中の幽霊を操ることができるのかも?


それと黒い目の生徒に捕まっても無事だったってことは、憑霊に直接捕まらない限り負けにはならないってこと。


……だけど油断はできない。


さっきみたいにうまく切り抜けられるとも限らないし。


極力探す場所の検討をつけて無闇に動かない方がいいかも。


そう思ってあたしは頭を必死に回転させ、心臓の隠し場所を考えた。


バカなんだし難しく考えすぎてもダメだ。


もっとゲーム感覚で考えてみよう。


例えばもしあたしがこのゲームを友達とするなら学校のどこに心臓を隠すだろう?


普通の教室? 購買? 音楽室? ……それとも。


考えをめぐらせるあたしの目に、ふとある部屋が映った。


「あそこってたしか、理科室?」


そこは三階の特教棟の奥にある理科室だった。


そういえば理科室には標本とか剥製とか人体に関するものが一番置いてある。


本物の心臓を紛れ込ませるなら理科室が一番怪しいかも!


そう思い、あたしは理科室にむかった。