どこからか女の人の悲鳴があがる。
ビニール袋から飛び出したのは……青いパジャマ姿の恭子さんの上半身だった。目は閉じていたが、全身に穴が空いたような刺し傷があり、血まみれで、無惨な姿だった。
「…………」
あたしは言葉を失い、その場に呆然と立ち尽くす。
……まさか昨日の夜、あたしがこの手で…?
そう思うあたしの目に、恭子さんの左腕が映った。
「あぁっ……!!」
そこにはあたしの左腕にある傷とそっくりの……刃物で切られたような、ばってんの傷が刻まれていたのだ。
……予感は確信に変わった。計り知れない恐怖があたしの胸を襲う。
その場にいるだけでも怖くなり、あたしは無言のまま、何かから逃げるように走り出した。