☆☆☆

目を覚ますと、あたしは制服姿で自分の家のベッドの上で仰向けになっていた。


ビクリ!! と体を震わせ、左手で右腕をつかむ。


夢の中で切断された右腕は、当たり前のようにそこにあった。


「はぁ……」


一瞬、安堵し、ホッと胸を撫で下ろしたが、すぐに悪夢の中で受けた苦痛の数々がフラッシュバックした。



怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……



腕を切られた肉体の痛み、血の海の中で実感した死の感覚、英美や由梨、恭也……そしてお母さんに否定された時の絶望……全てが現実にあったもののように感じられ、感情の津波となって胸を襲った。


……そのとき。


~♪♪


「ひっ…!!!!!」


ポケットからスマホの鳴る音がした。メールの着信音だ。


あたしはスマホを取り出し、画面を確認する。


そこには一件のメールがあった。


……そういえば、ゲームの前はカイトさんの家にいたはずなのに、何であたし、家にいるんだろう…?


そんな疑問を抱きながら、メールを開く。


……送り主、不明。件名、すぐに開け。本文、真っ白。添付されてるのは、一件の動画。


見るからに奇妙なメールだ。


件名の“すぐに開け”はメールに添付された動画のことだろう。容量は5.99M。3分程度の動画だ。


「…………」


雑然とした、心臓をぎゅっと握られるような不安が胸に広がる。


そんな恐怖に“あたしは、知る必要がある”という直感が勝った。恐る恐る動画を開く。