その音はジェットコースターのレールから聞こえてきた。


見ると、レールを走るジェットコースターがガタガタと揺れながらこちらに向かって来る。


ジェットコースターの揺れは徐々に激しなり、今にもレールから外れようとしていた。


「な、なんすか…?」


片輪がレールから外れたジェットコースターの大きな影が、下にいた英美達に重なる。


その近くにはちょうど憑霊もいて、憑霊はジェットコースターの方を向いて立ち止まった。


するとジェットコースターがレールから完全に外れ、真っ逆さまに英美達に落ちてきた。


あまりにも唐突な出来事に、英美達は呆然とたたずむ。


ジェットコースターの車体がその場にいた全員に覆い被さろうとしたとき、憑霊はバネのように跳ね、退いた。


瞬間、グシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…!!!!!!!!!!!!!! と、耳をつんざくような音がした。


大量のトマトをプレスしたように、ジェットコースターの下から真っ赤な血が飛び散る。


……偶然に落ちたジェットコースターがその場にいた全員を圧殺したのだ。


驚くあたしの目の前に、ボトッと何かが空から落ちてきた。