今まで脳が体験した痛みを合計して倍にかけても足りないような凄まじい激痛に……喉から血が出るほど絶叫した。


回転するチェンソーの刃はギギギギィィ!!……と耳障りな音を立てながら肩の肉を引き千切り、ゴリゴリッ……と骨を砕く。


炎で焼かれるような凄まじい熱が刃から肩に伝わる。その熱は一瞬にして全身に広がり、あたしの痛覚を支配した。


永遠に続くような激しい熱と痛み。その最中、ギュイイイイン!!!!!! とチェンソーが今までで一番大きな音をあげる。


とっさに右手を曲げるように脳が神経を通して伝達を送る。が、その命令は届くことなく、空中に離散した。


真っ赤な血が目の前の景色の全てを赤く染める。それはすぐに自分の血だと理解した。目玉を右に動かす。大量の血に包まれたその先に、さっきまであったはずの右腕がなくなっていた。


「うぐえっ……うげぇぇええええっ…!!」


腕を失ったことにショックを覚える前に、激しい嗚咽があたしを襲った。喉から込み上げる胃液とも、唾液とも言えない液体と、胃の中にあった残留物を一気に吐き出す。


「うえっ、汚ねぇなおい」


左腕をつかんでいた男がパッと手を離した。