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普通なら家族連れやカップルでにぎやかなはずの遊園地だ。だけどここの遊園地にはお客さんや従業員の姿はない。閑散とし、園内に響く音楽が耳障りなくらいだ。


「さて、まずどこから探そう…?」


辺りを見渡す。幸い園内はライトがついていて明るい。そしてなぜか人が乗っていなくてもアトラクションはひとりでに動いていた。


前回の神社と言い、あたしの夢の中の出来事である限り何が起きてもおかしくない。


かなり機転を利かせて探さないと見つからないかも…。


そんなことを考えながら園内を探索していると、どこからか、ブォォン…!! と車のエンジンのような音が聞こえてきた。


その音に混じって、女の人の声が聞こえてくる。しかもその声に、あたしは聞き覚えがあった。


「ま、まさか…」


あたしは声と音のする方へと向かう。そこはジェットコースターの乗り場のすぐ近くだった。


「うははっ、見てくださいよ!! こいつ内臓飛び出ちゃってますよ!!」


「ダメじゃない♪ もっと丁寧にバラさないと~」


そこにいたのは……チャンソーを持った犬と猫のマスコットの着ぐるみが計二体。血の海となった”元”人間の数えきれない残骸の上に立ち、笑っている。