☆☆☆

気がつくと、


「憑霊ゲーム、ハージメヨ…」


「……うわっ!!」


……目の前には、首と左足のない憑霊。そしてその後ろに、ギィギィと音を立てながら真っ白な馬と馬車が回転するメリーゴーランドがあった。


「……神社の次は、遊園地なの…?」


あたしは夜の遊園地にいた。騒がしく、やけに耳に残るポップな音楽が園内に響き、所々にはアトラクションの光が見える。


よく見ると、コンクリートはヒビだらけで園内の雰囲気もかなり古くさかった。人気もなく、まるで廃墟となった遊園地に無理やり電気を通して動かしているようにあたしには思えた。


「………悪夢ノ中ノ。鬼ごっこ。今夜ハアナタノ夢ノ中……」


いつものように……憑霊は歌う。あたしは憑霊を見つめ、


……こいつが、生まれてこれなかったあたしの姉妹なんだ…。


と複雑な思いを抱く。


「私ガ鬼デ、アナタガ子。10ヲ数エテ捕マル前二……」


そう言い、憑霊は欠損した左足を指差す。足の断面から、どろどろとした赤黒い血が流れる。


「今夜ハ私ノ、“左足”が欲シイ……」