凪瀬校は四階建ての古い校舎だ。


大きく分けて東に普段生徒が利用する教室棟。西に音楽室とか特別教室がある特別教室棟(略して特教棟)がある。


憑霊がいた下駄箱は教室棟と特教棟を繋ぐ中央にあった。


今あたしがいるのは教室棟の二階と三階の間にある階段だ。


とっくに憑霊は十秒数え終わっているはずだし、いつ捕まえに来てもおかしくない。


あたしは急いで階段を上り、三階の教室前の廊下に来た。


二年生のあたしは普段この階の教室を使っている。シーンとした夜の静けさから騒がしい昼間とはまるで別の場所みたいだ。


まずは二年三組。あたしのクラスから探そう!


そう思って三組の前まで行き、入り口の戸に手を置いた。すると、


ガシッ!!


「ひっ!!」


突然、誰かが後ろからあたしの肩をつかんだ。