「霊能力者として色々な魂に触れてきたが、これほど強い思念は初めて体験した。
少なくとも、生きている人間の理解を越えている。完全に復讐にイカれちまってるな…」
そう言い、カイトさんは沈んだ表情で自分の手のひらを見つめた。
「……やっぱり、あいつはあたしのことを…」
あたしは肩を落とした。
憑霊が最初のゲームのときに言った「アンタナンテ生マレテコナキャヨカッタノニ……」という言葉が頭を過る。
あのときの恨みのこもった声……今思い出しただけでもゾッとする…。
「……でもなんで? あいつはそんなにあたしのことを憎んでるんだろう…?」
あたしが呟く。
「さぁな。恨みの感情が強すぎて具体的な理由までは分からなかった。
……だけどもうひとつはっきりとしたのは、憑霊の持つ波動のパターンが、七海ちゃんのと酷似してるってことだ」
「波動のパターン? ですか?」
不思議に思うあたしを、カイトさんが指差す。
「七海ちゃんって、兄弟いるよね?」
唐突にカイトさんが聞いた。
兄弟…?
「……いいえ。一人っ子ですけど」
あたしが答えると、
「……いや、そんなはずねぇよ。おそらくは七海ちゃんの親が“いたことを”隠している。
……そしてそいつの魂は今、七海ちゃんの中にいる」
とカイトさんは言った。
「えっ……じゃあ、もしかして…?」
あたしは息を飲み、カイトさんに聞く。
「ああ。憑霊の正体は七海ちゃんの血縁者で間違いない。それも多分、七海ちゃんの死んだ姉か妹……いや、もっとあり得るのは、
……七海ちゃんと一緒に生まれた“双子の姉妹”だ」