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里奈達が帰った後、あたし達は二人がいた椅子に座り、一通り自己紹介をした。それからカイトさんに依頼内容について説明した。


「なるほど。憑霊ゲームか…」


話を聞き終え、カイトさんは口に手をあて考えに耽った。


「聞いたことありますか?」


あたしが聞くと、


「いや。まぁ推測するに、七海ちゃんの体を奪うための一種の条件付きの儀式だと思うけどな…」


そう言い、カイトさんはあたしの顔に手をかざした。


「えっと、なんですか?」


「里奈ちゃんみたいに、ちょっと七海ちゃんの頭を覗かせてもらうけど、いいよな?」


「えーっ、頭をですか!?」


さすがに恥ずかしいかも。お風呂入ってる姿とかも見られちゃいそうだし。


「いや、別に変なことは見ないから」


「まぁ、ならいいですけど…」


あたしが言うと、カイトさんは手をかざしたまま真剣な表情を浮かべた。


それから10秒もしないうちに、カイトさんは「やっぱりそうか…」と口ずさんだ。


「何か分かったんすか?」


英美がもどかしそうに聞くと、


「最初に会ったときも感じたけど、七海ちゃんの体の中には、七海ちゃん以外に別の誰かの魂があるみたいだな。……おそらくそれが、憑霊の本体だ…」


カイトさんは言った。