あたし達は顔を見合わせ、同時に「うん」とうなずいた。


……さっきは怪しいとか思ったけれど、いざ会うとなると、なんだか緊張してきた。


日本最強の霊能力者……一体、どんな人なんだろう?


「じゃあ、開けるよ」


あたしはドキドキしながらその扉を開いた。


すると、


「えっ…!!」


部屋の中にいたのは、椅子に座って泣く、あたしらと同じ凪瀬校の女の子と(多分この子が里奈)、その隣に座るもう一人の女の子。


そして、その子達の向かいの椅子に……


「あ~? 里奈ちゃんをねぇ~」


真っ赤な髪に、白いスーツと黒いシャツ、それに顔にはがっつりとメイクをして、おまけにクチャクチャとガムを噛んだ……


「とり(あえず、)ま(ぁ)、よく分かんねぇし~、もうちょい詳しく話を聞こうかぁ?」


……要するに、めちゃくちゃ柄の悪い新宿のホストみたいなチャラ男が座っていたのだ。


……こいつが、日本最強の霊能力者、サディスティックカイト!?


「………」


瞬時に、あたしは思った。


絶対こいつ、偽物だ!!!! と。