「でもただの鬼ごっこじゃないらしいぜ。

憑霊は人間の姿をしているけど、頭とか手とか体のパーツか四ヶ所なくなってて、そのうちのひとつを『今夜は私の◯◯が欲しい』って探してくるように命令するんだ。

んで、憑霊は10秒数えたあとに追いかけてくる。その間に命令された体のパーツを見つけて手で触りながら『◯◯返す。私の勝ち』って宣言するとその人の勝ち。けど逆に…」


「宣言する前に憑霊に捕まると負けってこと? 鬼ごっこみたいに」


あたしは恭也が話し終わる前に言った。


「そう! それで現実世界の体を奪われて二度と夢から目を覚ませなくなるってわけ!」


「……なるほど。アイテム探しと鬼ごっこを一緒にやる感じか。普通に友達とかとやったらおもしろそう」


「まぁ憑霊ゲームだと相手は俺らの体を奪おうとしてる化け物だけどな」


恭也は笑いながら答えた。