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それからあたし達は教室の机に集まり、これからの作戦を話し合った。


「さっきも、英美とちょっと調べてたんだけどね」


由梨が言った。


「どんな都市伝説にも、必ず対処法とかがあるじゃない? 口裂け女なら『ポマード×三回』、カシマさんなら『名神高速道路!』とか。

だから憑霊ゲームにも、もしかしたら鬼ごっこで勝つ以外の対処法があると思って、学校のみんなに聞き込みをしてたのよ」


それで今朝、英美が必死になって憑霊ゲームのことをみんなに聞いてたんだ。


「なるほどね。……まぁ、呪文とかで憑霊が倒せるとはちょっと思えないけど」


あたしが言った。


「そうね。でも今のところ憑霊に関する情報が少なすぎるのは確かよ。どんなゲームでも、相手を知ることは大切なことだし」


こういう時、由梨はすごく頼りになる。勉強はいいとこ平均点よりちょっと上くらいだけど、頭の回転が早くて、理詰めた考え方ができる。すぐ感情的になって、どちらかというと理屈より直感を大切にするあたしや英美にはない長所だ。


由梨は机の上の紙に何か書き出した。