「嫌だ！触らないで！！」

「ヒュー。初々しい反応！
　コイツは〜いいや。
　今日は楽しめそうだぜ。」

　口汚く笑う笑い声が辺りに漂って虫酸が走る。

　ガシャン。

　ビール瓶の入った箱を思いっきり蹴ると音に驚いた３人がこちらを向いた。

「おい。
　誰の許可を得て女を引っ掛けてるんだ。」

　怯えた瞳と目が合って、その女の胸元は引っ張られたのか無残にボタンが引きちぎられていた。
　それを視界に捉えるとカッと頭に血がのぼる。

「なぁ。誰に許可を得てるんだって聞いてんだよ！！！」

「なんだとテメエ。」

　一人が殴りかかろうと今にも飛びかからんとする後ろでもう一人が制止する。

「馬鹿！
　あいつCrazyのバーテンだぞ。
　見境なく病院送りにされるキチガイ野郎だ。
　関わらない方がいい。」

「チッ。」

　２人組の男は睨みつつもここより奥のタチの悪い店が立ち並ぶ方へと去って行く。