やみくもに走っていた腕を力強くつかまれて転びそうになりつつ止まらされた。
何故追いかけてくるのか理解に苦しむ。
しかも文句まで言われた。
「まだ頬にキスされただけだろ。
それとも見るのも初めてかよ。」
まだって何が?
呆れ声の伶央さんにますます嫌気がさして腕を振り払おうと暴れる。
「離して!」
「あんまり煩いと同じことするぞ。」
子どもを叱るみたいな口調にムッとして言い返した。
「そんな脅しで言うこと聞くなんて思わないでください。」
にらみつけた私の頬にそっと手が添えられた。
その手が髪をすくいあげ、髪を後ろに流した。
頬を撫でる手に背すじがゾクッとして顔を俯かせた。
威勢が良かったのはどこへやら、文句を口から出せる余裕もない。
屈んだ伶央さんの息遣いが聞こえるほど近くに伶央さんを感じて心臓は早鐘を打つ。
キス……されちゃう!
体を固くすると、不意に手は離されて解放された。
急に自由になった体は支えを失ってその場に崩れ落ちた。
何故追いかけてくるのか理解に苦しむ。
しかも文句まで言われた。
「まだ頬にキスされただけだろ。
それとも見るのも初めてかよ。」
まだって何が?
呆れ声の伶央さんにますます嫌気がさして腕を振り払おうと暴れる。
「離して!」
「あんまり煩いと同じことするぞ。」
子どもを叱るみたいな口調にムッとして言い返した。
「そんな脅しで言うこと聞くなんて思わないでください。」
にらみつけた私の頬にそっと手が添えられた。
その手が髪をすくいあげ、髪を後ろに流した。
頬を撫でる手に背すじがゾクッとして顔を俯かせた。
威勢が良かったのはどこへやら、文句を口から出せる余裕もない。
屈んだ伶央さんの息遣いが聞こえるほど近くに伶央さんを感じて心臓は早鐘を打つ。
キス……されちゃう!
体を固くすると、不意に手は離されて解放された。
急に自由になった体は支えを失ってその場に崩れ落ちた。

