「そうなんだ。ごめん。無理に勧めて。」
大谷くんは反省の色を浮かべて見るからにしょんぼりした。
「ううん。いいの。
私もそこまでなんて自分でも分かってなくて。」
「失礼。落とされてますよ?」
伶央さんはナプキンを拾い上げてテーブルの上へ置いてくれた。
え………。
ナプキンと一緒に手を……握られ……。
どうして………。
動揺で動けないし、声も出せなかった。
ナプキンに隠れて彼の奇行は大谷くんからは見えないみたいだ。
「どうしたの?
ごめんね。さっき飲んじゃった?」
大谷くんの声にハッとすると既に手は離されていて伶央さんももういなかった。
私の異変に大谷くんがすごく心配してくれて申し訳なく思いながら意識を取り戻す。
すると離された手の中に感じる違和感に気づいて再び鼓動が速まった。
手の中には何か紙のような物。
「平気。
でも……少しお手洗いに行ってくるね。」
逸る気持ちでトイレに入ると個室に入って鍵を閉めた。
震える手を開いてみると手のひらには小さな紙切れ。
折りたたまれた紙を広げると連絡先が書かれていた。
走り書きの電話番号とメールアドレス。
どうして………姿を、見せるなって。
紙を握り締めてしゃがみ込んだ。
涙が出そうでそれが何の涙なのか自分でも分からなかった。
大谷くんは反省の色を浮かべて見るからにしょんぼりした。
「ううん。いいの。
私もそこまでなんて自分でも分かってなくて。」
「失礼。落とされてますよ?」
伶央さんはナプキンを拾い上げてテーブルの上へ置いてくれた。
え………。
ナプキンと一緒に手を……握られ……。
どうして………。
動揺で動けないし、声も出せなかった。
ナプキンに隠れて彼の奇行は大谷くんからは見えないみたいだ。
「どうしたの?
ごめんね。さっき飲んじゃった?」
大谷くんの声にハッとすると既に手は離されていて伶央さんももういなかった。
私の異変に大谷くんがすごく心配してくれて申し訳なく思いながら意識を取り戻す。
すると離された手の中に感じる違和感に気づいて再び鼓動が速まった。
手の中には何か紙のような物。
「平気。
でも……少しお手洗いに行ってくるね。」
逸る気持ちでトイレに入ると個室に入って鍵を閉めた。
震える手を開いてみると手のひらには小さな紙切れ。
折りたたまれた紙を広げると連絡先が書かれていた。
走り書きの電話番号とメールアドレス。
どうして………姿を、見せるなって。
紙を握り締めてしゃがみ込んだ。
涙が出そうでそれが何の涙なのか自分でも分からなかった。

