「あれ。このペン。
黒田さんの忘れ物かな。」
山本さんの視線の先には高級そうなペンが置かれたまま。
ペンは名前入りで、側面にLeo.Kurodaと流れる文字で掘られてある。
「届けてきます!」
頭で考えるよりも早く体が反応してペンを握り締め、彼の後を追った。
「黒田さん!」
追いついて声をかけるとお二人は足を止め振り返った。
息を整えてペンを差し出す。
「ペンをお忘れです。」
胸ポケットに手をやった黒田さんが、あぁという顔をして手を差し出した。
その手の上にペンを渡した。
「ありがとう」とお礼を口にした彼はハンカチを取り出して私の目の前でペンを拭いた。
それはまるで大切な物に汚れが付いてしまったかのように。
汚れ……は、つまり私が触ったせい?
唖然として彼を見ていると目が合った。
「まだ何か?」
冷たい声は胸に深く刺さるとジクジクとした痛みを伴って刺さったまま消えてくれない。
黒田さんの忘れ物かな。」
山本さんの視線の先には高級そうなペンが置かれたまま。
ペンは名前入りで、側面にLeo.Kurodaと流れる文字で掘られてある。
「届けてきます!」
頭で考えるよりも早く体が反応してペンを握り締め、彼の後を追った。
「黒田さん!」
追いついて声をかけるとお二人は足を止め振り返った。
息を整えてペンを差し出す。
「ペンをお忘れです。」
胸ポケットに手をやった黒田さんが、あぁという顔をして手を差し出した。
その手の上にペンを渡した。
「ありがとう」とお礼を口にした彼はハンカチを取り出して私の目の前でペンを拭いた。
それはまるで大切な物に汚れが付いてしまったかのように。
汚れ……は、つまり私が触ったせい?
唖然として彼を見ていると目が合った。
「まだ何か?」
冷たい声は胸に深く刺さるとジクジクとした痛みを伴って刺さったまま消えてくれない。

