『りお』と名乗った女。
　もしかしたら捜していた奴なのかもれない。

　二度と姿を見せるな。なんて………。
　本当に血迷っちまったのか……。

　あの『莉緒』なのなら、やっと見つけた『莉緒』だとしたら。

　のさばらせておく必要はない。
　同じ目に遭わせて、あの平和ボケした顔を夢見た通りに歪ませてやればいい。

　もしかしたら……。
　あの莉緒＂じゃない＂かもしれない。

　そんな希望にも似た思いが浮かんでは消える。

　違うと思うのなら確かめれば良かったんだ。
　しかし………。

「ハハッ。」

　笑いが漏れて天を仰いだ。

　馬鹿らしい。
　知るのが怖いのか？俺は。
　俺は…………。

　ただ……….面倒なだけだ。

　考えるのさえ面倒になって目を閉じた。