【今日はせっかくの引越し日和なのに仕事を休めなくて……。
　早めに帰って引越し頑張ります！
　慌ただしくても新しい生活の始まりにワクワクしています！！】

　メッセージを書き込んでサイトを閉じる。
　毎日の日課のようになっている書き込みは私の心の支え。

「おはよ。今日もハス様からありがたいお言葉でも頂いた？」

「おはよ。花奈。分かる？」

　森崎花奈は会社の同期で一番の仲良し。
　ハス様の話を振られてつい顔が緩んでしまう。

「昨日なんだけどね。
　可愛いボクのウサギちゃんって！！！」

「……あ〜。それはすごいね。」

　冷めた感じで視線をそらす花奈が憎らしい。
　背が低くて可愛い花奈は彼氏がいるいわゆるリア充な女の子。

　だから私の憧れは半分も分かってくれない。
　まぁハス様の魅力は私だけが分かっていれば十分なんだけど。

「それにしてもよく続くよね。
　高校生からだっけ？ハス様との付き合い。」

「つ、付き合ってるなんて滅相もない。
　お知り合い……というか仲良くさせてもらっているだけだよ！」

「あ、うん。そういう意味合いで言ったんだけどね。」

　ハス様の話になるとつい熱くなってしまうから毎度のように花奈に呆れた顔を向けられる。