「クソッ。」
悪態をついた伶央さんから結果が良くなかったことが伺えた。
どうやら交代らしい。
伶央さんがこちらに歩み寄ってきて、代わりに哲哉さんが台の方へ軽快に歩いていった。
私を見ようともしない伶央さんに思い切って袋を突き出した。
「あ、あの。これを返しに。
ありがとうございました。
何かお礼をと思ったのですが……。」
お礼を準備するにも、どうにも好みが分からない。
というより何か適当なものを買って渡したくなかった理由は他にもあって……。
一瞬こっちを見た伶央さんが目元を覆うように頭を押さえた。
「誘ってんのか?それ。」
指差された先を確認して急いで胸元を押さえた。
緊張のあまり胸元の紐に指が絡んでいることに気づかずに袋と一緒に引っ張っていた。
そのせいで紐はほどけかけてあられもない姿を晒しそうになっていた。
「違っ!そんなんじゃないんです。」
慌ててギュッと結び直す。
「だいたい、そんな格好で来て本当は男に襲われたかったのか?
だとしたら昨日は邪魔したな。」
確かに私にしては大胆に胸元が開いているキャミとキャミの重ね着。
「まさか!違います!!
それは……夜の世界に負けないように大人っぽくしなきゃって思って。」
自分の中で思い描く最大限の大人の女性。
初々しいとからかわれて絡まれたんだから戦闘態勢みたいな格好でいればって考えに考えた格好。
と、そうは思っても恥ずかしくて返す服を入れた袋で隠していたんだけど。
顔を背けた彼からは呆れた声が聞こえた。
「……頑張る方向性を間違ってるんだよ。」
悪態をついた伶央さんから結果が良くなかったことが伺えた。
どうやら交代らしい。
伶央さんがこちらに歩み寄ってきて、代わりに哲哉さんが台の方へ軽快に歩いていった。
私を見ようともしない伶央さんに思い切って袋を突き出した。
「あ、あの。これを返しに。
ありがとうございました。
何かお礼をと思ったのですが……。」
お礼を準備するにも、どうにも好みが分からない。
というより何か適当なものを買って渡したくなかった理由は他にもあって……。
一瞬こっちを見た伶央さんが目元を覆うように頭を押さえた。
「誘ってんのか?それ。」
指差された先を確認して急いで胸元を押さえた。
緊張のあまり胸元の紐に指が絡んでいることに気づかずに袋と一緒に引っ張っていた。
そのせいで紐はほどけかけてあられもない姿を晒しそうになっていた。
「違っ!そんなんじゃないんです。」
慌ててギュッと結び直す。
「だいたい、そんな格好で来て本当は男に襲われたかったのか?
だとしたら昨日は邪魔したな。」
確かに私にしては大胆に胸元が開いているキャミとキャミの重ね着。
「まさか!違います!!
それは……夜の世界に負けないように大人っぽくしなきゃって思って。」
自分の中で思い描く最大限の大人の女性。
初々しいとからかわれて絡まれたんだから戦闘態勢みたいな格好でいればって考えに考えた格好。
と、そうは思っても恥ずかしくて返す服を入れた袋で隠していたんだけど。
顔を背けた彼からは呆れた声が聞こえた。
「……頑張る方向性を間違ってるんだよ。」

