思いのほか快適に眠れてしまった自分の図太さに目が覚めた時に苦笑した。
朝は弱いみたいで眠そうな伶央さんの貴重な姿も見られて朝から眼福だった。
電話が鳴って受話器を取る。
いけない。
仕事中だった。
「はい。お電話ありがとうございます。
プレビアス社、開発事業部、松永です。」
「お世話になります。
ジェニアル社の黒田です。
松永……莉緒さん?」
「え、えぇ。」
黒田さんってもしかして伶央さん!?
莉緒さんだなんて名前を初めて呼ばれた気がする。
いつもお前とかあんたとかで……。
「俺、外からだから。
そっちは会社だろ?
ちゃんと仕事っぽく受け答えしろよ。」
耳元で言われて否が応でも耳が熱くなる。
受話器だから耳で受けるのは当たり前なんだけど。
「今日、用事で帰りが遅くなるから。
玄関にある傘立ての下に鍵を隠して置いておく。」
「はい。かしこまりました。」
「フッ。受け答え、上手いじゃないか。」
電話だからなのかな。
声がいつもよりも優しくて甘い。
だから困ってしまう。
仕事のフリをしなきゃいけないのに、顔が熱くて堪らない。
朝は弱いみたいで眠そうな伶央さんの貴重な姿も見られて朝から眼福だった。
電話が鳴って受話器を取る。
いけない。
仕事中だった。
「はい。お電話ありがとうございます。
プレビアス社、開発事業部、松永です。」
「お世話になります。
ジェニアル社の黒田です。
松永……莉緒さん?」
「え、えぇ。」
黒田さんってもしかして伶央さん!?
莉緒さんだなんて名前を初めて呼ばれた気がする。
いつもお前とかあんたとかで……。
「俺、外からだから。
そっちは会社だろ?
ちゃんと仕事っぽく受け答えしろよ。」
耳元で言われて否が応でも耳が熱くなる。
受話器だから耳で受けるのは当たり前なんだけど。
「今日、用事で帰りが遅くなるから。
玄関にある傘立ての下に鍵を隠して置いておく。」
「はい。かしこまりました。」
「フッ。受け答え、上手いじゃないか。」
電話だからなのかな。
声がいつもよりも優しくて甘い。
だから困ってしまう。
仕事のフリをしなきゃいけないのに、顔が熱くて堪らない。

