この恋は少しずつしか進まない




そして一夜が明けた。今日は朝からキッチンに並んで加島とお弁当作り。私が作ってあげた日から加島もお昼ごはんを食べるようになっていた。


「先輩、これタコウインナーじゃなくて、ヒトデウインナーになってますよ」

「いいの、味は一緒だから!」


もちろん料理を作るようになったと言ってもクオリティーは低くて、凝ったおかずは加島に任せているけど。


「ヤバい、早く出ないと遅刻しますよ」

「ま、待って。靴下間違えた」

そんな慌ただしいやり取りを経て、ようやく私たちは家を出た。


こうして一緒に登校することにも慣れて、別に話し合ったわけでもないのに加島が歩道側、私が内側と、並んで歩く位置も毎日同じになっていた。


「ふ、あはは」

すると、何故か急に加島が笑いだした。


「え、なに、怖い」

「いや、普通履いていく靴下間違えるかなって。しかも長さが全然違うやつだったじゃないですか」

「そ、それは同じ紺だったから」

「でも間違わないでしょ、普通」

加島が早くなんて、急かすからだと思いつつ。私の抜けている部分も隠さずに話せることがやっぱりいいなって。

笑われるのはムッとするけど、加島の笑顔を見ると癒されてしまうから怒る気もなくなってしまう。