この恋は少しずつしか進まない






「なんだ、彼氏じゃないんだ」

早朝にも関わらず私は加島を交えてテーブルを囲うように座らせて、今までの出来事をすべて話した。

うちに居候していることより、加島が彼氏じゃなかったことにガッカリしているようだけど。


「すみません。お姉さんの家でもあるのに勝手に身を置かせてもらって……。あと、布団も使わせてもらってます」

加島はビックリするぐらいお姉ちゃんの前では謙虚だった。


もしかして加島は根は真面目で、こうして目上の人への接し方もちゃんと出来る人なんじゃないだろうか。

そして、私の前ではあえて手を焼かすように振る舞ってるんじゃない?

だとしたら、完全になめられてるというか、対等どころか下に見られてる気がしてきた。


「いいよ。全部好きに使って。私はもう家を出てるようなもんだし、仕事のタイミングを見て住民票も移す予定だからさ」

私の気持ちとは裏腹に話しは進んでいく。