「俺、先輩といるとこうなります。抱きつかれたら尚更です」
加島がまっすぐに私のことを見ていた。
久しぶりに目が合って、それだけで泣きそうになる。
「私、辰巳さんとはもう会わない。加島のことが好きだから」
もっと早く自分の気持ちを認めてあげればよかった。もっと早くこの気持ちを加島に言えばよかった。
そんな私の言葉を聞いて、加島の唇がゆっくりと動く。
「俺、今まで付き合ってもいいなと思う人が好きな人だと思ってたんです。でも、違った。好きな人だから、付き合いたい。好きな人だから、嫉妬もするし、どうしたらいいのか分からなくなる。先輩といると、そういう気持ちになります」
「……加島も私のことが好きなの?」
「そうですよ」
加島の顔がみるみる赤くなっていた。きっと私も同じように耳まで赤くなってしまっている。
「俺も最初は頼れる先輩としか思ってなかったんです。でも先輩はしっかり者に見えて抜けてるし、今だって自分が裸足だってこと分かってます?」
「あ……」
私は自分の足元を見た。
どおりで、足の裏がひんやりしてると思ってた。
加島を追いかけることに夢中で、靴を履いていないことにも気づかなかった……。
「そういうところが可愛くて、目が離せなくて、好きです」
加島の声が、くすぐったい。



