家を出ていっても自宅に戻れたのかどうかも知らないし、理沙ちゃんのことだって会うと言っただけで結果は報告してくれない。だからあれこれと勝手に自分で考えてしまう。
「言わないのは先輩もでしょ」
「だって加島が私のことを避けるから」
「避けてないですよ。校舎で会っても逃げるように歩いていくのは先輩のほうじゃないですか」
「違う、私は……っ」
加島に距離を置かれていることが寂しくて、話せないのが辛かったから、加島のことを見ないようにしてただけ。
そう、言えば解決することなのに、今までの不安が別の言葉として出てきてしまう。
「私、加島といるとおかしくなる。イライラすることばっかりだし、話噛み合わないこともあるし、心を乱されてばっかり」
違う。こんなことが言いたいんじゃない。
「じゃあ、ちょうどいいじゃないですか。俺はもう先輩の家に来ることもないし、そしたらあの人と上手くいくでしょ」
……バタンッ。
加島は怒ったように家のドア閉めて帰ってしまった。
ああ、また同じだ。
伝えなきゃいけないことはたくさんあるのに、意地を張って、加島を追いかけなかった時と同じことを繰り返している。
私は加島とどうなりたい?
このままでいいの?
このまま、加島と終わってしまってもいいの?
……いいわけない。
全然、いいはずがない。



