Tシャツはぐちゃぐちゃになっていたので綺麗に畳んで、一応持って帰りやすいように紙袋に入れた。
暫くして、ピンポーンとインターホンが鳴る。私は光の速さで玄関のドアを開けた。
「無用心ですね。俺じゃなかったらどうするんですか」
加島はまだ私と同じで制服のままだった。
「あ、えっと、これ」
加島の顔を見ただけで頭が真っ白になって言葉が出てこない。
「わざわざ袋に入れてくれたんですか?すみません」
加島は玄関に立ったまま、紙袋だけを私の手から受けとる。「じゃあ、俺はこれで」と素っ気なく帰ろうとする加島の制服を思わず掴んだ。
「ま、待って。お茶でも飲んでく?」
このまま帰ってしまったら、本当に加島と話すチャンスはなくなってしまう。
「……はあ。先輩は本当に分かってないですね」
私の気持ちとは裏腹に、加島は大きなため息をついた。なんだかその態度にムカッとして、私も言い返す。
「分かってないってなによ。分からないよ。加島は私になにも言わないじゃん」
ただ話したかっただけなのに、つい喧嘩腰の言い方をしてしまった。



