この恋は少しずつしか進まない




それから家に着いてカバンをソファーの上に置いた。

とりあえず制服を脱ごうとハンガーに手をかけると、銀色のラックの上に見覚えのあるTシャツを発見した。


それを手に取って広げると、でかでかとキャラクターのプリントがされてあって、私の身体がすっぽりと埋まるくらいサイズも大きい。

私はそのTシャツをぎゅっとして、スマホでメッセージを送った。



【スパイダーマンのTシャツ忘れてるよ】


古着屋で買ってから加島はいつもこれを部屋着として使っていた。


ダサい、可愛くないと言ったことは数知れず。

でも毎日見ていると目が慣れてきて、本当はスパイダーマンのTシャツを着てる加島を可愛いと思ってた。
 


【すぐ取りにいきます】

加島からの返事はすぐにきた。


それだけでドキッと胸が高鳴る。